まずは写真をごらんください。
何のヘンテツもない、一作業風景です。
社長が社員に「こうやってやるんだぞ!」と指南。
何の作業かというと、キュウリのベット(土を冷やさないようにビニルで密閉している)の中にみずをかけてあげて、土をぬらしてあげている。本来ベットの中にはチューブが通っていて、そのチューブに水を流すと土がぬれて、キュウリが元気になるという仕組みになっている。
渡辺農場のキュウリベットにももちろんチューブが通っている。
ではなぜこんな面倒くさいことをしなければならないのか?
ひとつひとつキュウリを植えた根元から、特性のホースでベット全体をびちょびちょにしていく。1棟終わらせるのに1時間はくだらない。
チューブには穴があいていて、毎回同じところからしか水は出ない。
つまり、ベット内の土も同じところばかり水が通ってしまう。
「根」は水を求めて伸びていくので、同じところばかり水が通っていると、根は必然的に同じところに向かってしか伸びていかないのだ。
それを解決するために、一度全部の土をびしょびしょにして、次にチューブで水をあげるときに、その水がどこにでもながれていくようにしてやるのだ。
そうすると、根はいろいろなところに伸びていく可能性が出てくる。根がのびのびと元気になれば、キュウリももちろん元気になる。美味しくなる。
子どもたちもきっと同じ。
学校から帰ってくると、なんでも話したい。聞いてほしい。同意と賞賛。大好きな人から「そうだね」「がんばったね」「えらいね」「すごいね」。これ以上の喜びはないんだろう。
子どもたちの「ね」もいろいろな方向に伸びていく可能性を秘めている。人、土地、時間、お金、モノ、ココロ、色、音・・・
可能性を広げるために我々ができること。
それはとっても面倒くさいことかもしれない。
一見、無駄なことのように見えるかもしれない。
でもきっといつか実るんだ。
毎朝、毎晩、いろーんな形や大きさの実をつけるキュウリのように。
だから渡辺農場はいっさい手を抜かない。
野菜にも
子どもにも
マコ(いいこと言った!)